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僕はしばらく荒れた。

何もする気力が無い。

会いたい。一緒に暮らしたい。

毎日そう思った。

 

そして会社を休む事が多くなった。

自暴自棄ってやつ。

今まで彼女の為、犬達の為だけに生きてきた。

これ程失ってデカいものはない。

ある日親も心配して家に来た。

 

僕の顔を見てビックリしたようだ。

ロクに食べていないし、会社にも行っていない。

生きる屍になった僕を見て。

 

とにかく何かを食べなさい

この一言しか、かける言葉が無かった様だ。

 

ある日千葉の実家に居る彼女から電話が来た。

地方に行こうと思うの。

最後にデートしようか?

 

彼女はナナを連れて。僕はココを連れて。

河川敷で散歩したり、ラーメンを食べに行ったり。

ラーメンおごってくれてありがとうと言われた僕は、

彼女に対して初めて怒った。

僕らは別れてもずっと家族だろ!

 

しかし女は男よりも強いかもしれない。

彼女はクスッと笑って、早く若くていい子を見つけなよ。

私は今探してるよ?と言った。

 

これは良かったのかなと思った。

これで彼女は幸せになれるかもしれない。

僕はそんな気持ちには到底なれなかったけど。

 

京都。身寄りもない、縁もゆかりもない土地。

更にお金は全て親に渡し、殆ど無一文の状態。

彼女が選んだ道だった。

働いて自立する。

 

またネットビジネスやるの??

いや、額に汗して働いてみたいの。

そう言う彼女を車で京都まで送った。ナナと一緒に。

ずっと専業主婦だった為信用がなく、部屋を借りられない。

 

部屋だけあなたが借りて?

お金は私が払うから。

働いて数ヶ月したら名義も変えられるし。

 

僕は部屋を借り、生活をする為に必要最低限のものを

車で回り、一緒に買った。

やっぱり東京と違って不便ね(^^)

彼女は楽しそうだった。

 

かつては品川の高層マンションの最上階に住んでた人が

今は京都の山頂にある様な場所で、

家賃3万円のゴキブリが出るボロアパートだ。

 

ペットを飼うとなると条件が厳しくなるし、金も無い。

僕は何度も言いかけた。

やっぱり戻ってこい。

子どもなんてどうでもいい。

でも言えなかった。

 

その日は飲んだ。朝まで一緒に。

昔話は楽しかった。

今までお金を一杯使ったね!

結婚当初は本当に楽しくて、捨てる様にお金を使いまくった。

 

お金ってなんだろうね?と僕は聞いた。

やっぱりあればあるだけ便利だし、楽しいよ。

私は今まで普通の人がやれない事を十分やったし、

これからは福祉の仕事をして、人の為に生きていく。

魂の修行だよね。

 

大丈夫かな?

僕は思った。

強がってる風にも見えない。

 

朝まで飲んでから夕方まで寝た。

いよいよ、夜に帰る時が来た。

 

元気でな。そう言って車を走らせた時、一瞬彼女が泣いた。

僕は多分一生忘れない。あの時の彼女の顔を。

車で走った京都の急な坂道を。

 

彼女が京都に行って数ヶ月。僕はますます悪化していった。

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